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目黒区の終活支援とは? ―「登録制度」はなくても使える支援はこんなにある
これまで「ひらつか葬祭通信」では、世田谷区・港区・品川区・大田区と、城南エリアの終活支援についてご紹介してきました。今回は目黒区です。
目黒区には、大田区の「老いじたく情報登録事業」や港区の「エンディングプラン登録事業」のように、葬儀やお墓、エンディングノートの保管場所などの終活情報をまとめて区へ登録しておく制度は、現在のところありません。
では、目黒区には終活支援がないのでしょうか。調べてみると、そうではありませんでした。
「終活支援がない」のではなく、いくつもの制度に分かれている――これが目黒区の特徴です。
- 1. 目黒区にも「終活」の相談先があります
- 2. 「人生会議(ACP)」という備え
- 3. 一人暮らしなら「ひとりぐらし等高齢者登録」
- 4. 電話・訪問・食事で日常を見守る
- 5. 24時間対応の非常通報システム
- 6. 目黒区の特徴 ―制度がないのではなく「分かれている」
- 7. 事前相談で必ず伝えている5つのこと
- まとめ
1. 目黒区にも「終活」の相談先があります
目黒区社会福祉協議会が運営する権利擁護センター「めぐろ」では、成年後見制度をはじめ、遺言・相続・財産管理などについて相談することができます。
職員による一般相談のほか、弁護士・司法書士による専門相談も行われており、原則として目黒区民は無料で利用できます。
2026年1月には「終活のすすめ~わたしらしい最期を迎えるために~」という講演会も開催され、葬儀、任意後見制度、エンディングノートなどが取り上げられました。
「終活支援センター」という名称の専用窓口があるわけではありませんが、終活について専門家へ相談できる入口は、目黒区にも用意されています。
2. 「人生会議(ACP)」という備え
目黒区が取り組んでいるものの一つに、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)、いわゆる「人生会議」があります。
人生会議とは、将来、自分で意思を伝えることが難しくなる場合に備えて、これからどのように暮らしたいのか、どのような医療や介護を受けたいのか、人生の最終段階をどのように過ごしたいのかを、ご家族や信頼できる方、医療・介護関係者などとあらかじめ話し合っておく取り組みです。
目黒区では、こうした話し合いのきっかけとして「わたしの思い手帳」を配布するなど、人生の最終段階について考える機会をつくっています。
「人生の最後まで、どう生きたいか」を考えておくことも大切な終活の一つです。
3. 一人暮らしなら「ひとりぐらし等高齢者登録」
目黒区で特に知っておきたいのが、「ひとりぐらし等高齢者登録」です。
65歳以上の一人暮らしの方や高齢者のみの世帯などが、氏名・電話番号・緊急連絡先などをあらかじめ区へ登録しておく制度です。
登録しておくことで、緊急時に区や関係機関が対応しやすくなり、必要に応じてほかの見守りサービスにつながることもあります。
ここは、大田区の「老いじたく情報登録事業」と少し違います。
大田区では、緊急連絡先だけでなく、エンディングノートや遺言書の保管場所、お墓の所在地など、終活そのものに関する情報まで登録することができます。
一方、目黒区の「ひとりぐらし等高齢者登録」は、主に日常生活の見守りと緊急時の対応を目的とした制度です。
目黒区:「一人暮らしの方を日常から見守るために登録する」
同じ「登録」という言葉でも、制度の目的が異なります。
4. 電話・訪問・食事で日常を見守る
目黒区では、一人暮らしの高齢者などを対象とした複数の見守りサービスがあります。
代表的なものが「さわやかコール」です。週1回から週3回、自宅へ電話をかけて安否確認を行うもので、費用は無料です。
また「高齢者見守り訪問事業」では、地域の見守りボランティアが定期的に自宅を訪問し、玄関先で話をしたり、外から様子を確認したりします。いつもと違う様子があれば、地域包括支援センターなどにつなげます。
さらに、食事を届ける際に安否確認も行う配食サービスもあります。
特別な「終活」の時間だけで備えるのではなく、普段の暮らしの中で異変に気づく。目黒区では、こうした日常的な見守りが重視されていることが分かります。
5. 24時間対応の非常通報システム
一人暮らしで特に心配なのが、「自宅で倒れた時に、自分で電話をかけられなかったら」という問題です。
目黒区には「非常通報システム」があり、自宅に設置した専用機器からコールセンターへ通報することができます。
コールセンターでは、看護師または保健師の資格を持つスタッフが24時間体制で対応し、緊急の場合には救急車の要請や親族への連絡などにつなげます。
条件に該当する場合には、在宅時の異常を検知する「生活リズムセンサー」を利用することもできます。
ここまで見てくると、目黒区は「亡くなった後の情報登録」よりも、まず今、一人で暮らしている方をどう支えるかという部分に力を入れていることが分かります。
6. 目黒区の特徴 ―制度がないのではなく「分かれている」
城南エリアの終活支援を調べていくと、区によって考え方の違いが見えてきます。
- 大田区:終活情報の登録
- 港区:情報登録から終活相談・サポートへ
- 品川区:社会福祉協議会による見守り・任意後見・遺言作成支援
- 世田谷区:終活支援センターを中心とした相談・伴走支援
- 目黒区:終活相談・人生会議・高齢者登録・見守り・緊急対応を、それぞれ別の制度で支援
ですから、「目黒区には終活制度がない」と考えるのは少し違います。
使える制度はかなりある。ただし、自分に必要なものを組み合わせて利用する必要がある。
これが、今回調べてみて感じた目黒区の特徴です。
7. 事前相談で必ず伝えている5つのこと
行政の制度は、「もしもの時に誰につなぐか」「日常をどう見守るか」を支えてくれます。
一方で、実際の葬儀の場面でご家族が困らないためには、その方自身の希望をもう少し具体的に残しておく必要があります。
ひらつか葬祭の事前相談では、次の5項目を必ずお伺いしています。
- ご安置場所について(ご自宅か、専用の安置施設に預けるか)
- 遺影写真の候補(1枚に絞り込まなくても大丈夫です。「これもいいな」というものを何枚か見せていただく程度で結構です)
- 最後にお着せしたいお召し物のご用意(ご本人らしい洋服などがあれば、分かる場所に準備しておくと安心です)
- 宗教者への事前確認(仏式で「ワンデイ葬儀」をご希望の場合の菩提寺への確認や、カトリックの場合の所属教会など、宗教によって事前に確認しておいた方がよいことがあります)
- お好きなお花・お色・聖句など(カトリックの方であれば、お好きな聖句〈聖書の言葉〉など、その方らしさが表れるご希望)
例えば「亡くなったら一度自宅へ帰りたい」「この写真を遺影に使ってほしい」「好きだった花を飾ってほしい」という希望は、行政の緊急連絡先登録だけでは伝わりません。
制度を利用することと、ご自身の希望をご家族や信頼できる方に伝えておくこと。この二つを組み合わせることが大切です。
まとめ
目黒区には、大田区や港区のような「終活情報をまとめて区へ預ける制度」は現在のところありません。
しかし、権利擁護センター「めぐろ」での専門相談、人生会議(ACP)、ひとりぐらし等高齢者登録、電話や訪問による安否確認、配食による見守り、24時間対応の非常通報システムなど、利用できる仕組みは数多くあります。
全部を一度に始める必要はありません。
一人暮らしであれば、まず緊急連絡先を整理する。将来の医療が心配なら人生会議について考える。遺言や財産管理が気になれば専門窓口へ相談する。葬儀について分からないことがあれば、元気なうちに葬儀社へ聞いてみる。
終活は、全部を決めることではなく、気になっていることを一つずつ整理していくことから始まります。
目黒区にお住まいの方も、まずはご自身に必要な一つから考えてみてはいかがでしょうか。
目黒区上目黒2-19-15 目黒区総合庁舎1階
電話:03-5768-3964
一般相談:月曜日~金曜日 8:30~17:00
弁護士・司法書士による専門相談:毎週金曜日 13:30~16:30(原則予約制)
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