「まだ生きている親の葬儀」を考えるのは、不謹慎ではありません
こんにちは、ひらつか葬祭の平塚です。
「ひらつか葬祭通信」は、日頃お世話になっている皆様へ毎月お届けしている情報通信です。今月は、先日のご相談で実際に言われた言葉をきっかけに、「生前の葬儀準備」について考えてみたいと思います。
→ 結論:生前の葬儀準備は不謹慎ではなく、遺されるご家族への思いやりです
目次
先日いただいたご相談で、こう言われました。「元気ではないにしても、まだ生きている親の葬儀について考えるなんて、なんだか気が引けて…」。
これは本当によく言われることです。まるで、準備すること自体が「早く亡くなってほしい」と願っているように感じてしまう。日本人特有の感覚かもしれませんが、私は25年以上この仕事をしてきて、その気持ちはとてもよく分かります。同時に、その「気が引ける」という優しさが、後になって遺されたご家族を苦しめる場面を何度も見てきました。
もちろん、何も準備せず、その場で決めることも可能です。ただ、実際に何が起きるかを想像してみてください。
危篤の連絡から3日。ご家族は病院に泊まり込み、ろくに眠れないまま迎えるご逝去。その瞬間から、頭が働かないうちに次々と判断を迫られます。スマートフォンで葬儀社を検索し、相見積もりを取り、親族に連絡し、菩提寺や教会などの宗教者にも連絡が必要です。役所への死亡届の手続き、遺影写真は? そもそも本籍地はどこだったか、すぐに答えられる方は多くありません。家族葬にするなら、昔からよく知るあの方への連絡はどうするか。納棺の立ち会いは誰が? 金融機関の口座は凍結されるのでは、という不安もよぎります。
そこへ「病院指定の葬儀社」を名乗る担当者が、「うちでよろしければお手伝いしますよ」と静かに近づいてくる。その隣では、臨終に間に合ってひと目会おうと駆けつけた叔父や叔母が涙を流している――。ここに書ききれないほど、その場はまさにカオスです。どんなに冷静な方でも、気が立って普段通りではいられません。
💡 実務のコツ:「病院指定=提携葬儀社」であって「その病院しか使えない」わけではありません。搬送だけ依頼し、葬儀本体は別の葬儀社に相談することも可能です。この判断だけでも、事前に知っているかどうかで落ち着き方がまったく違います。
こうした「備えのなさ」への社会的な対応も、少しずつ動き始めています。2026年7月1日、「終活」を総合的に支援する相談拠点として「世田谷区終活支援センター」が開設されました。運営は世田谷区社会福祉協議会が担っています。
📝 社会福祉協議会(社協)とは:市区町村ごとに設置されている非営利の民間団体で、地域福祉の推進を目的に活動しています。行政ではありませんが、多くの自治体から高齢者福祉や相談事業の運営を委託されており、公共性の高い立場にあります。今回の「終活支援センター」も、世田谷区が事業主体、運営を世田谷区社協が受託する形です。
背景には、国レベルの動きもあります。2026年6月に成立した改正社会福祉法により、身寄りのない高齢者向けに、社会福祉協議会などが入院手続きや死後の葬儀・家財処分の手続きまで担う新しい事業が制度化されました。厚労省はこの担い手として社協を想定しつつ、民間企業の参入も促す方針を示しています。
世田谷区終活支援センターが実施する高齢者終身サポート事業の名称が「えんのつづき」です。頼れる身寄りがなく、資力が十分でない高齢の方を対象に、入院・入所時の手続き支援や、お亡くなりになった後の死後事務などをサポートします。月額利用料は1,000円(税別)で、月1回の電話連絡と半年に1回の自宅訪問を通じて見守りも行われます。
対象は単身世帯で子や孫がいない方など一定の条件があります。ご興味のある方、あるいはご自身やご家族が対象になりそうな方は、まず区や社協へ相談してみることをおすすめします。
「えんのつづき」のような公的な仕組みは、主に身寄りがなく資力の乏しい方の「生活の土台」を支えることを目的にしています。一方、私たち葬儀社が行う事前相談は、ご家族がいらっしゃる方でも、「その時」に慌てないための実務的な準備がテーマです。公的制度ではカバーしきれない「その方らしさ」の部分を、あらかじめ言葉にしておくイメージです。
どちらが優れているという話ではなく、ご自身の状況に応じて使い分けたり、組み合わせたりするのが現実的だと思います。
ひらつか葬祭の事前相談では、次の5項目を必ずお伺いしています。
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ご安置場所
ご自宅か、専用の安置施設に預けるか -
遺影写真の候補
1枚に絞り込まなくても大丈夫です。「これもいいな」というものを何枚か見せていただく程度で結構です -
最後にお着せしたいお召し物のご用意
ひらつか葬祭では、ご年配の方であっても女性のお身体に触れる場面は女性スタッフが対応するよう心がけています -
「ワンデイ葬儀」をご希望なら菩提寺への事前確認を
通夜を行わず葬儀・告別式のみを行う形式で、仏式で近年増えています。菩提寺とは、お墓を管理し葬儀の司式・読経を行うお寺のこと。お寺様によっては「通夜がない葬儀はあり得ない」というお考えの方も、昔から一定数いらっしゃいます -
お好きなお花・お色・聖句など
カトリックの方であればお好きな聖句〈聖書の言葉〉など、その方らしさが表れるご希望
生前に葬儀のことを考えるのは、その方の「死」を望むことでは決してありません。むしろ逆で、混乱の中で大切な時間を奪われないための、ご家族への思いやりだと私は考えています。
ひらつか葬祭では、費用も宗教も問わず、事前のご相談を無料でお受けしています。「まだ元気だけど、少し聞いてみたい」という段階でも、どうぞお気軽にお声がけください。
📍 世田谷区終活支援センター
所在地:世田谷区成城6-3-10 成城6丁目事務所棟3階
電話:03-6411-3715
※世田谷区以外にお住まいの方へ:品川区・大田区・目黒区などでも同様の終活支援施策が動いているか、現在調査を進めています。分かり次第、本通信でお伝えします。
ひらつか葬祭|東京城南エリア(品川・港・目黒・大田・世田谷)対応
お問い合わせ:LINE公式アカウント・お電話にて承ります
